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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 185,353 字 · 371 頁
「よく衆智を用いる人は、まず御一族では、朝倉景行どのでしょう」
と、教えた。
光秀は、自分の寺子屋を、園阿に託して、戦場へ行った。もとより何の伝手もない。ただ一片の献策書を持って、朝倉景行の陣を訪れたのである。
献策書は、郎党の手から景行の手許へ渡ったかどうか、それも分らず、彼は約ふた月ばかり、陣地に拘禁されていた。
「――自分の言を用いているな」
光秀は、幕舎のうちに囚われていても、およそ、陣のうごきや、外の兵気で、察していた。
景行は、初めのうち、彼を疑って、捕えておいたのであるが、苦戦の打開しようもなくて、試みに、光秀の献言した戦法によってみると、確実に、味方の戦いに利のあることが立証されて来たので、
「さては、まったく、誠意をもって戦法を忠言してくれた人物とみえる」
と、改めて、彼をひいて会ってみると、弁舌明晰、沈厚な人がらで、何さま文武両道の博識と思われたので、陣地に養って、時折、左右に招いていた。
――が容易には、幕下としてゆるさぬふうが見えるので、光秀はまた、
「それがしに、一挺の鉄砲をおかし賜わらば、必ず敵の中核を撃ちとめてお眼にかけるが」