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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 197,228 字 · 394 頁

青空文庫

起てば優に、六尺ゆたかの身長はあろう。年三十二、三歳。皮膚はくろがねにも似、眼は、らんとして人に迫るものがある。

はてな?

と、ちょっと思い出せないような顔して、秀吉はしばし見まもっていた。

官兵衛が、口添えした。

「これは、毛利一族に亡ぼされた尼子義久を奉じて、年久しく、孤忠苦節をつづけて来た近頃稀れに見る信義のつよい漢でござる。ここ十年来、隠岐、出雲、鳥取など、各地を転戦また流浪しつつ、つねに寡兵をもって毛利を苦しめ、旧主の尼子義久を、もう一度、世に出さんものと、涙ぐましき努力をいたしておりまする。どうか、筑前どのにも、特に、お目をかけ下さるように」

「……あ。いや」

秀吉はさえぎって、

「山陰尼子氏の忠臣に、鹿之介幸盛ありとは、とうにそれがしも聞いておった。――が、先ごろの陣中でかけちがって会わなかったとは? ……何処のことかな」

と、いぶかしげに訊いた。

鹿之介は、答えて、

「信貴山攻めの折、明智光秀どのの手勢に加わり、一方に御陣借して働いておりました」

「ほ。……信貴山の戦に、その方も参加しておられたか」

「されば」

と、官兵衛がまた、話を取って、