輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 176,911 字 · 353 頁
薫風陣
ひよどりか何か、ただ一羽、けたたましく啼いて谷をよぎる。しかしそれきりだ。鳥類はみな地を人間にゆずって他の平和な山へことごとく移動していた。かれらには、この壮大豪華をきわめての人間の演舞が、何のためにやるのか、不可解にちがいない。
薫風陣
家康は、すこし猫背ぎみに見える。四十をすぎてからまた肥りかげんで、よろいをつけても、背がまろく、両肩をむっくりと、くわ形の兜の重さに、首が圧しこまれているようなあんばい。
采配を持っている右手も、左手のこぶしも、膝において、ひらき股に、床几へ腰うちかけた姿勢は、余りに前かがみで、何となく、威風にさわるように思われる。
いや、この体ぐせは、平常、客と対坐しても、歩くときでも、そうなのである。反り身になっていたことがない。
老臣が、何かの折、それとなく注意した。すると家康は、その時は、そうかそうかとうなずいていたが、べつな日、左右の人々との夜ばなしに、こんな述懐をもらしていた。
(何せい、わしは貧乏そだち。また、六歳の幼少より、他家へ人質にとられ、目に見るまわりの人間は、みな自分より威権のある者ばかりじゃった。自然、子どもの中でも反り身に歩かぬくせがついてしもうた。