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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 176,911 字 · 353 頁
花・ふた色
主力我れと、所は隔つとはいえ、一心堅塁に拠って、その地の善防奮戦を祈る。
とある。
信雄は、この書を発すると共に、麾下の佐久間甚九郎正勝に兵五千余を付して、
「急速に、峰の城を修築し、秀吉の来襲に備えおけ」
と、伊勢の鈴鹿口へ向けて、急行させた。なおまた、一宮城主の関成政、竹鼻城主の不破広綱、黒田城主の沢井雄重、岩崎城主の丹羽氏次、加賀ノ井城主の加賀野井重宗、小折城主の生駒家長などの諸臣の人質を一せいに長島へ収めて、自身は、
「清洲へ」
と、移る地を指さして、ここに初めて、彼の旗馬は、公々然と、軍事的うごきを明らかにし出した。
長島城のあとには、生駒家長を入れ、信雄の旗本と主兵力は、ほとんど、清洲へ移った。それが、三月十三日のことであった。
この行動は、もとより彼が単独の意に出たものではない。徳川家康との間に、
(十三日には、清洲において、会見申さん)
という緊密な聯絡があったものに相違なく、同日、徳川家康も、その精鋭をひきいて、自身、清洲まで馬をすすめて来た。
帷中、槍影の守りきびしき処、両者の懇談は、数刻にわたっていた。
花・ふた色
美濃の養老と伊吹の山のくびれには、万葉や古今に、古くからわび歌われた幾つかの古駅があり、関ヶ原から湖南へ往来する旅人たちは、この峡谷の街道をあゆむごとに、かならずそれらの遠い時代