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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 180,256 字 · 361 頁
茶わん屋へ押し入って、赤絵の名器を盗んだな!」
「……げッ」
逃げかかる天蔵へ、小六は、大喝をあびせながら突ッ立った。
「醜しいッ! 坐れッ」
「坐れッ。それへ!」
と、もう一度、小六は呶鳴りつけて、天蔵の気を呑んでしまってからまた、
「逃げる気か。おのれは」
と、責めた。
「に……にげなどは、いたしませぬ」
芝の上へ、腰をついたように、べたと坐って、天蔵は顫え声で云った。
「縛れ――」
小六は、四方に立っている四人へ向って命じた。
松原内匠と、青山新七とが、すぐ左右から飛びかかって、
「おことばでござる」
と、うしろ手に捻じあげ、刀の下緒で腕くびを巻きつけた。
はっきりと身の危険と、事の露顕を覚ると、天蔵は蒼白な顔に、奮然と、太々しい反抗をあらわして、
「あッ。お……叔父御。なんだってこの天蔵を! ……。いくら叔父御でも、無体だッ。余りといえば」
「やかましい」
「覚えはないッ。この天蔵には今叔父御がいったような、盗みをした覚えなどは」
「やかましいッ」
「誰に……。誰がそんなことを、告げ口したのかッ」
「まだ黙らぬか」
「叔父御も、叔父御じゃござらぬか。なぜ一応、うわさがあるならあると、天蔵に仰っしゃった上で」