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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 180,256 字 · 361 頁
と、村民たちは、むしろ怪訝な顔して、ながめていた。
渡辺天蔵は、蜂須賀の名をもって、何事も振舞っていたし、小六の甥ということも知れ渡っていたので、その頭目と聞いただけでも、戦慄していたのであろう。
だが、小六は、神と民とを味方に持たなければ、世に立てないことを知っていた。
やがて物見が帰って来た。
それによると、
「天蔵の一味は、手下を加えて約七十人ばかりの同勢。東春日井の山道へかかって、美濃路へ逃げ越えてゆくらしい足どり」
と、ある。
小六は、そこで、
「人数の半数は、蜂須賀村へ帰って、留守をまもれ。残る半数の半分は、この村に止まって、焼け出されの村民を救護したり、治安に当れ。――後の人数は、おれに尾いて来い」
と、命じた。
――で彼の手兵は、わずか四、五十人しかなかった。
その小勢で、小六は、天蔵を追いかけた。
小牧、久保一色を経て、ようやく先の敵勢に追いつきかけると、道々、物見を残して歩いている天蔵の方でも、
(来たな!)
と覚ったらしく、急に山道を迂回して、瀬戸峠から、足助の町のほうへ下って行くとの報せ――それが、山中ばかり追い歩いた四日目の午頃だった。