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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 180,256 字 · 361 頁

青空文庫

茨を拓いて

と、叫んだ声や眼ざしのただならぬ烈しさに、家臣たちが、呆っ気にとられたこともあった。

茨を拓いて

弘治元年。

信長は二十二歳となった。

その年の四月、信長は、一族の織田彦五郎と乱を醸して、彼の居城、清洲を攻め、占領後、那古屋から清洲城へ移った。

やったな!

藤吉郎は、ひそかに、そう思って、信長の手際を見ていた。

右も茨。左も茨。

孤君信長を繞って虎視眈々な一族がたくさんいた。それが、叔父だの兄弟だの身寄りだのという者だけに、荊棘を拓くのも、敵以上であった。

家柄からいえば、清洲の織田彦五郎は、織田一族中の宗家だった。しかし宗家の彦五郎は、信長を、

(油断のならぬうつけ)

と、警戒していた。そして事々に圧迫を加え、信長の自滅を計った。

清洲城には、その前から守護家の斯波義統が養われていた。義統の子義銀と、義統とは、信長に同情をもっていた。

それが、発覚したのである。彦五郎は、怒って、

「恩知らずの見せしめ」

と、守護家を斬ってしまった。子の義銀は、信長の所へ逃げて行った。

信長は、義銀を、那古屋の天主坊へ匿って、その日に軍馬を催して、清洲城へ殺到したのである。