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いちかわくめはち
新編 近代美人伝 (下)
長谷川 時雨
線上閱讀長谷川 時雨《新編 近代美人伝 (下)(いちかわくめはち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 138,172 字 · 277 頁
「そうじゃありませんよ、静枝やとし子さんの考えを見ても、川上さんや、依田先生たちのことを思い出しても、あたしは、毛剃や、弁慶が巧かったのがいけなかった。」
「高田先生は、そのつもりだったのかも知れないが、宗家はそうじゃなかろうぜ。」
「あたしを女優――女形として、相手にはしなかったろうとですか?」
「そうじゃないか、彼女は立派な役者だ。男だったら、俺の相手だがと、だから、高田先生に言ったんだ。」
「いいえ。」
九女八はしみじみとして、
「あたしがねえ、小芝居ばかりに出ていたので、どうかして、あれを止めねえものかと仰しゃってたそうだから――」
緞帳芝居――小芝居へ落ちていた役者は、大劇場出身者で、名題役者でも、帰り新参となって三階の相中部屋に入れこみで鏡台を並べさせ、相中並の役を与え、慥か三場処ほど謹慎しなければ、もとの位置にはもどさない仕来りがある、階級的な差別の厳しいのが芝居道だった。
九女八は、下谷佐竹ッ原の浄るり座や、麻布森元の開盛座を廻り、四谷の桐座や、本所の寿座が出来て、格の好い中劇場へ出るようになるかと思うと、また、神田の三崎町の三崎座に女役者の座頭になってしまったりする。