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いちかわくめはち
新編 近代美人伝 (下)
長谷川 時雨
線上閱讀長谷川 時雨《新編 近代美人伝 (下)(いちかわくめはち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 138,172 字 · 277 頁
これは漢法医が多く、漢薬は、きざんであったのを、盛りあわせて煎じるから、医者は薬箱をもたせ、薬箱には、柄の永い、細長い平たい匕――連翹の花片の小がたのかたちのをもっていたものだ。
錦子の家は出羽の西田川郡であったが、庄内米、酒田港と、物資の豊かな、鶴岡の市はずれではあり、明治廿年代で西洋医学をとり入れた医院だったから、文化の低い土地では、比較的新智識の家族で、名望もあった。
――あたしの画はまずい。
と、思う下から、山田美妙斎の小説は、なんと素ばらしく、女の肉体の豊富さを描きつくしているのだろうと、口惜しいほどだった。
錦子は、水に濡れ浸った蝴蝶の、光るような、なめらかな肌が、目の前にあるように、眼をよせて眺めていた。小説の中の蝴蝶も、自分の年とおなじ位だと思うと、彼女は自分の肌を、美妙斎に、描写されたように恥しかった。それは、いつぞや、自分のことを言ってやった文に、
――体に、脂があると見えて、お風呂にはいった時も、川で泳いだときも、水から出て見ると、水晶の玉のように、パラパラと水をはじいてしまって――
そんなふうに、書いたこともあった気もするのだ。