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いちかわくめはち

新編 近代美人伝 (下)

長谷川 時雨

線上閱讀長谷川 時雨《新編 近代美人伝 (下)(いちかわくめはち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 138,172 字 · 277 頁

青空文庫

「此品、欣々女史の帯とおなじ裂れだそうです。」

とネクタイをひっぱって見せたのを、微笑ましくこれも思出していた。

すると彼女はこういっていた。

「ええ、ええ、たいへんでしたわ。おいしいおいしいって食てしまってから、たねを明すと、嗽いをなさるやらなにやら――」

介添えに出ている、年増の気のきいた女中が、その時の様子を思い浮べさせるように、たまらなくおかしそうにふうッといって、袂で口をおさえた。

食後はもうひとつの広間へ移った。そこはばかに広かった。琴が、生田流のも山田流のも、幾面も緋毛氈の上にならべてあった。三味線も出ている。

「こちらに、近衛家からか出た大層お古い、名箏があるようにうかがっておりましたが――」

と、はじめて浜子が声を出した。

「ああ、あれ御承知? すぐ出させましょう。」

パチパチと手を打った。女中たちが顔を出した。浜子はちいさな声で、

「その箏でなんか弾いて見ましょうか、真っ黒になってて、鰹節みたいな古い箏だけれど、それは結構な音を出すの。」

虫の好い話で、浜子は他人さまの名器でよき曲を、わたしの耳に残してくれようというのだ。わたしも横道にも、