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いちかわくめはち
新編 近代美人伝 (下)
長谷川 時雨
線上閱讀長谷川 時雨《新編 近代美人伝 (下)(いちかわくめはち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 138,172 字 · 277 頁
御連枝はムッとしてそのまま訪問されず、しかも、その人も配偶をむかえてから、代る女はなかったとの歎をもたれたのだから悲しい。
も一度、
かりそめの 別れと聞きておとなしううなづきし子は若かりしかな。
この歌は、嫁がれてのち、夫君を待って読んだ歌だと解釈されているけれど、もうそのころ、武子さんは二十三歳、令嬢としては出来上りすぎている立派な人だった。十八に、十七に、十九におきかえて考えると、おとなしううなずきし子が目に見えてくる。
爵位局より発布の「尊族簿」が幾度もひっくりかえされているうちに、日は経ってゆく。お家柄第一、二十六、七歳より三十歳までの若様で、勝れた家の爵位を嗣ぐ人、宗教は浄土真宗。これだけ具備した人を探しだそうとするのだが、幾度繰っても頁数はおなじで、いなかった人物が紙の上に飛出してくるはずもない。ここまで来て籌子夫人から、天降り案が提出されたのだから、捏ね廻してしまったものには具合がよかったと、ことが運んだわけだった。
山中氏の『九条武子夫人』百六十二頁に、
――重職会議へ極めて内々のお諮りがありました。御生家の九条公爵の御分家たる良致男爵を選考するようにとの、それは夫人よりの直接の御相談なのでした。