輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(一)
岡本 綺堂
線上閱讀岡本 綺堂《時代推理小説 半七捕物帳(一)(はんしちとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 158,540 字 · 319 頁
と、半七はあわてて草履をつかんで、お蝶と共に奥の三畳にかくれた。そうして襖の隙き間からそっと窺っていると、やがてはいってきたのは三十歳前後のやはり奥勤めらしい女であった。
「初めてお目にかかります」と、女はお亀にむかって丁寧に挨拶した。お亀もおどおどしながら相当の挨拶をしていた。
「早速でございますが、こちらの娘のお蝶どのの身の上について、昨日もほかの御女中がまいって詳しいお話をいたしました筈。親御も御得心ならば、今夜からすぐにお越し下さるように、わたくしがお迎いにまいりました」
女は切り口上で云った。お亀はすこしその威に打たれたらしく、唯もじもじしていて、はっきりした挨拶もできなかった。
「今さら御不承知と申されては、わたくしどもの役目が立ちませぬ。まげて御承知くださるように重ねておねがい申します」
「娘はゆうべ帰りまして、それからなんだか気分が悪いとか申して、きょうも一日臥って居りますので、まだ碌々に相談いたす暇もございませんで……」
お亀は一寸遁れの口上で、なんとか此の場を切り抜けるつもりらしかったが、相手はなかなか承知しなかった。女は嵩にかかって又云った。