輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(一)
岡本 綺堂
線上閱讀岡本 綺堂《時代推理小説 半七捕物帳(一)(はんしちとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 158,540 字 · 319 頁
奥様は日頃信仰する市ヶ谷八幡と氏神の永田町山王へ代参を立てられた。女中のある者は名高い売卜者のところへ走った。表面はあくまでも秘密を守っているものの、屋敷の内輪は引っくり返るような騒動であった。こうして三日を過ぎ、五日を送ったが、美少年大三郎のゆくえは容易に知れなかった。主人も家来も今は手の着けようがなくなったので、とても内輪の探索だけでは埒があかないと見た用人の角右衛門は、今朝そっと八丁堀同心の槇原の屋敷へたずねて来て、どうにか内密に調べてはくれまいかと折り入って頼んだのであった。
「なにぶんにも屋敷の名前にもかかわること。くれぐれも隠密におねがい申す」と、角右衛門は幾たびか念を押した。
「かしこまりました」
半七は参考のために大三郎の人相や風俗を訊いた。あわせてその性質や行状をたずねると、彼は五歳から手習いを始めて、七歳から大学の素読を習った。読み書きともに質のよい方で、現に今度の吟味にも四書五経いずれも無点本でお試しにあずかりたいという願書を差し出した程であると、角右衛門は自慢そうに話した。併しその口ぶりによると、大三郎はそういう質の子供に免がれがたい文弱の傾向があるらしかった。