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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(三)
岡本 綺堂
線上閱讀岡本 綺堂《時代推理小説 半七捕物帳(三)(はんしちとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 201,612 字 · 405 頁
引き揚げたがもういけねえ。惜しいことをした。もうこうなると、どうしてもお前を調べるよりほかはねえ。このあいだの晩も云う通り、そりゃあいろいろ云いづれえこともあるだろうが、もう仕方がねえと覚悟して何もかも云ってくれねえじゃあ困る。それでねえと、おめえばかりでなく、加賀屋の店に迷惑になるようなことが出来ねえとも限らねえ。主人にまで迷惑をかけちゃあ済むめえが……。ねえ、そこを考えて正直に云ってくれ」
「よく判りましてございます」と、お鉄はおとなしく頭をさげた。「実はそれを申し上げようと存じまして、あれからすぐにこちらへ出まして、こうしてお待ち申して居りましたのでございますから、もう何もかも正直に申し上げます」
「むむ。それでなけりゃあいけねえ。そこで一体あの男は何者だえ。やっぱりおめえとおなじ土地の者かえ」
「はい、隣り村の安吉という百姓でございます」
「いつ頃から江戸へ出ているんだ」
「なんでもこの八月の中頃だと申して居りました。わたくしが逢いましたのは八月の十五日、若いおかみさんのお供をして八幡様のお祭りを見物にまいりました時でございます」
「それから彼奴はどこに何をしていたんだ」