輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(三)

岡本 綺堂

線上閱讀岡本 綺堂《時代推理小説 半七捕物帳(三)(はんしちとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 201,612 字 · 405 頁

青空文庫

「はい、はい」

四十五六の番頭が帳場から出て来て、暖簾の外に立っている半七に挨拶した。

「お前さんがここの番頭さんかえ」と、半七は手拭で顔の砂をはらいながら訊いた。

「さようでございます。利八と申して、河内屋に三十四年勤めて居ります。どうぞお見識り置きを……」

「そこで利八さん。早速だがお前さんにちっと訊きたいことがある。この間、こっちの裏口を変な婆さんが覗いていたとかいうじゃありませんか」

「はい。とんだ災難で、番頭ひとりと小僧一人が今にどっと寝付いて居ります」

利八の話によると、番頭と小僧はきょうまで熱が下がらないで、生殺しの蛇のように蜿うち廻っている。奉公人どもは気味を悪がって誰も寄り付かないので、主人と自分とが代る代るに看病しているが、なかなか三日や四日では癒りそうもない。世間の噂を綜合してかんがえると、その時の怪しい婆さんはどうも彼の甘酒売りらしく思われる。実はきのうの午過ぎにも、その婆さんらしい女が店の前をうろ付いているのを近所のものが認めたとかいうので、この上にも重ねてどんな禍いがあろうかと、自分たちも内々恐れていると、かれは小声で半七に訴えた。