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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(三)

岡本 綺堂

線上閱讀岡本 綺堂《時代推理小説 半七捕物帳(三)(はんしちとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 201,612 字 · 405 頁

青空文庫

それを横合いからだしぬけにばっさりとやられてしまっちゃあ、わたくしの役目が立ちません。それを察して正直に話してください。くどくも云うようだが、訳さえわかれば決して御迷惑はかけませんから」

武士はそれでもまだ渋っていたが、半七からいろいろに説きすかされて、彼もようよう納得したらしく、内に引っ返して一方の武士と何かしばらくささやき合っていたが、結局思い切ってその事情を打ち明けることになった。

「では、屋敷の名は申さんでも宜しゅうござるな」

「よろしゅうございます」

なんとかして、彼等に口を明かせなければならないので、その白状を聞かないまえに半七は安受け合いに受け合ってしまった。そうして、これから彼等がどんな秘密を打ち明けるかと、両方の耳を引き立てていると、あたかもそこへ足早に駈け込んで来た者があった。

「ああ、親分。いいところへ来ていてくんなすった。小間物屋の野郎、とんだことをしやあがって……女を殺しゃがった」

それは小間物屋の居どころをさがしに行った幸次郎であった。

四

幸次郎は小間物屋の徳三郎の居どころを探しあてて、田町に近い荒物屋の二階へたずねてゆくと、彼はあいにく留守であった。