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しょくぶついちにちいちだい
植物一日一題
牧野 富太郎
線上閱讀牧野 富太郎《植物一日一題(しょくぶついちにちいちだい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 160,011 字 · 312 頁
アケビと※
アケビと※
人皇五十九代宇多天皇の御宇、それは今から一一〇五年の昔寛平四年(892)に僧昌住の作った我国開闢以来最初の辞書『新撰字鏡』に「※、開音山女也阿介比又波太豆」と書いてある。昌住坊さんなかなかサバケテいる。
大正六年に東京の啓成社で発行した上田万年博士ほか四氏共編の『大字典』には「【※】カイ国字」と出で、また「万葉集訓義弁証に曰く新撰字鏡に※音開、山女也、阿介比とあり、蔔子(あけび)の実の熟してあけたる形、女陰にいとよく似たり。故に従レ艸従レ開て製れる古人の会意の字也、開は女陰の名にて和名鈔に見えたり」と出ている。しかし『和名鈔』すなわち『倭名類聚鈔』には女陰は玉門としてあるが、ただし玉茎の条下の※の字の注に、「以開字為女陰」と書いている。
私の郷里土佐の国高岡郡佐川町では女陰をオカイと称するが、これは御カイであろう。すなわちカイは上古の語の遺っているものと思う。
とにかくアケビとはその熟した実が口を開けた姿を形容したものである。ゆえにこれが縦に割れて口を開けていることを根拠としてアケビの名が生じたと考えられる。それでアケビの語原はこの縦に開口しているのをアケビと形容して、それが語原だとしている人に白井光太郎博士もいる。