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しょくぶついちにちいちだい
植物一日一題
牧野 富太郎
線上閱讀牧野 富太郎《植物一日一題(しょくぶついちにちいちだい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 160,011 字 · 312 頁
御会式桜
の方が真実であるように感ずる。
御会式桜
毎年十月十三日は、弘安五年(1282)に、武州池上の本門寺で入寂した日蓮上人忌日の御会式で、またこれを法花会式とも御命講とも日蓮忌ともいわれる。この会式の催される時分にちょうど花の咲くサクラがあって、通常これは御会式桜と呼ばれ、往々それをお寺の庭などにも見受けるのだが、ありがた連中、随喜の涙にむせぶ連中はこのサクラの開花を仰ぎ見て、さも仏様の功徳によってそれが自然へ感応し、さてこそその花が有情に開くのだと感銘しているのであろう。そして世の中にこんな連中があればこそ仏様も立ちゆく訳で、万歳であり万々歳であろう。世間は広いので商売の工夫も商売道具もいろいろとあるもんだ。
さてこのサクラたるや、何も御会式とはなんの関係もなくまたなんの因縁もない。ゆえに御会式があろうがあるまいが、時が来れば吾不関焉と咲き出づる、ちょうどこの秋時分に狂花のように開花するためにこのサクラが利用せられているのである。サクラ喜こべサクラ喜こべ、オマエの運が回って来た。
このサクラの本名は十月ザクラというもんだ。すなわち彼岸ザクラ(東京の人のいうヒガンザクラは『大和本草』