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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
線上閱讀下村 湖人《次郎物語(じろうものがたり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 146,773 字 · 294 頁
まえの三つと合わせて五つである。しかし、十問中七問以上が確実に出来なければ及第圏にはいらない、というのが次郎たちの常識だった。あと二問! 彼は残った問題のうち、どれを選ぶべきかを決めるために、鉛筆を机の上におき、強いて自分を落ちつけた。しかし、腰部の生理的要求は、もうその時はかなりきびしくなっていた。それに、教壇の上から、監督の先生がだしぬけに叫んだ。
「あと三十分!」
次郎は、反射的に鉛筆をとりあげた。そして、まえにやりそこなった小数と分数との問題を、もう一度計算してみた。その結果、最初にやった時の答と同じだった。
(何だ馬鹿を見た。)
彼は心の中でそうつぶやいたが、それでも、それがひとつかたづいて、いくらか気が楽になった。そして、時間はたっぷり二十分はあまされていたのである。で、もし、腰部の要求さえ彼を邪魔しなかったら、彼はあと二間ぐらいは、確実に片づけることが出来たかも知れなかった。だが、すべては運命であった。自然の要求の切迫は、たといそれが爆発点にまで達していなかったとしても、残された彼の時間をたえず動揺させ、彼の頭を混乱させていたのである!