輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

線上閱讀下村 湖人《次郎物語(じろうものがたり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 200,443 字 · 398 頁

青空文庫

板木を打っていたのは、はたして大河無門だった。シャツにズボンだけしか身につけていず、足袋もはいていなかった。しかし、べつに寒そうなふうでもなく、両足をふんばり、頭から一尺ほどの高さの板木を、近眼鏡の奥から見つめて、いかにも念入りに、ゆっくりと槌をふるっていた。

次郎は、思いきりドアをあけ、

「おはようございます。」

とあいさつして、大河に近づいた。

大河は、その時、ちょうど槌をふりあげたところだったが、それを打ちおろしたあと、ちらと次郎のほうを見て、あいさつをかえした。

そして、そのまま、すこしも調子をかえないで、また槌をふるいつづけた。

「もういいでしょう。ずいぶんながいこと打ったんじゃありませんか。」

次郎が、寒そうに肩をすくめながら、言うと、

「ええ、でも、まだだれも起きた様子がないんです。」

と、大河は槌をふるいながら、こたえた。

「しかしもう眼はさましていますよ。」

「そうでしょうか。」

「きっとさましていますよ。どの室にも、眼をさましているものが、もう何人かはあるはずです。」

大河は、それでも同じ調子で打ちつづけながら、

「いつもこんなに起きないんですか。