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えどげいじゅつろん

江戸芸術論

永井 荷風

線上閱讀永井 荷風《江戸芸術論(えどげいじゅつろん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 85,130 字 · 167 頁

青空文庫

と題せし秘戯画中には歌麿が自身の肖像と覚しきものを描きたる事を記すに留む。

ゴンクウルはそが愛好する歌麿の伝を著したる後四年を経て(千八百九十五年十二月即明治二十八年)更に葛飾北斎の詳伝を公にしたり。これ著者の死に先つこと僅に一年なり。十八世紀日本美術に関する第二の著述は画家の生涯及びその制作に対する考証の精密なること前著『歌麿』に優る所あり。北斎逝きてよりその時まで僅に半世紀を経たるに過ぎざりしが、その正確なる伝記の漸く不明ならんとするに当つてゴンクウルが研究考証は泰西の美術界に貢献する所僅少ならざりしといふ。彼はその序にいへる如く北斎の本国においてはあたかもその頃(明治二十五年)飯島半十郎著『葛飾北斎伝』二巻の出版せられたるを知りこれをも参照したりしがなほ足れりとせず、当時巴里にありし日本の骨董商林忠正なる者の助けを借りその蒐集せし資料に基きて彼自らの Hokousai を著したり。

(林忠正の蒐集せし北斎伝の資料は巴里の好事家にして浮世絵蒐集家たるビングの依頼によりて為されたるものなりしを、林はいかなる故にやこれをビングに渡さずしてゴンクウルに売却したりとて、一時巴里の好事家中に物議を生じたる事ありしといふ。