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ほうねんぎょうでん
法然行伝
中里 介山
線上閱讀中里 介山《法然行伝(ほうねんぎょうでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 66,110 字 · 131 頁
そこで奉行の三位範季卿という人が、
「今まで殿下の御所を多く拝見しました処こう云うお邸はまだ存じませぬ」という。
「そうでもあろうが、思う処があるのだから兎も角急いでくれ」
といって建てさせられたが、これは法然の休み処のためであった。老体の法然をまずここに招いて休ませ、それから後に対面をするというためであった。或時の如きは、法然が月輪殿に出向いて行くと兼実は跣足で降りてそのお迎えをした。処で居合せた聖覚法印、三井の大納言僧都というような顔触れも同じように跣足で降りて迎えなければならなくなったということである。
建久八年(六十五歳)の時法然が少しく病気に罹った。兼実は深くこれを歎いたが、それでも病気は間もなく治った。その翌年正月の一日から法然は草庵にとじ籠って何れから招かるるも出て行かなかった。その時、兼実は藤右衛門尉重経を使として法然に、
「浄土の法門年頃お教えを承りましたが、不敏にしてまだまだ心腑に収め難いものが多くございます。冀くはその要領を文にして記し賜りたい。その望みが叶えば御面談の代りにもなり、且は後世への記念にも備えることが出来まする」
と申越された。