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かいじょうのみち

海上の道

柳田 国男

線上閱讀柳田 国男《海上の道(かいじょうのみち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 182,344 字 · 353 頁

青空文庫

二 踊歌の流伝

辞句にはもちろん次々の改廃はあろうが、今でも土地にはまだその記憶が残っているかもしれない。尋ねてみたいものと思う。

二 踊歌の流伝

『鹿島志』以下の書に採録せられた弥勒謡の一篇は、やや長たらしいだけにおとなしく、いわゆる中昔の風も窺われる。後の比較のために全文を掲げておくことにする。

世の中はまんご末代

みろくの船がつゞいたァ

ともへには伊勢と春日

中は鹿島のおやしろ

ありがたや息栖おもりは

こがね社壇うてかゞやく

うしろにはひよき(清き?)神たち

前は女瓶男瓶ござふね

かんどり(香取)は四十おやしろ

音にきくもたふとや

一たびはまゐりまうして

金の三合もまかうよ

かねさごは及びござらぬ

米の三合もまかうよ

何事もかなへたまへ

ひだちかしまの神々

まことに老女らしい淡々たるユウモアではあるが、ともかくも盆の供養の踊のような、哀調でなかったことはまず注意せられる。ただし黄金三合という戯れの誇張に対して、米の三合を撒こうというのはただ空想でなく、或いはもとこの踊の所作に伴のうて、何かそういう行事があったのかと思われるふしがある。ここと利根川を隔てて、さまで遠くない印旛沼周辺の村々には、春秋の祭の日に鹿島歌をうたい、踊ってあるく慣習が近い頃まであったことが、小寺君の『郷土民謡舞踊辞典』