輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
ちくはくき
竹柏記
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《竹柏記(ちくはくき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 45,798 字 · 91 頁
むしろ、なぜ八束がそんな話をもちだしたか、ということのほうが不審だった。八束もその点に気づいたのだろう。ふと思いだしたように、「実はこんど江戸詰になりましてね」
こう云って苦笑した。
「役目も変るらしいので、これからは幾らかお力にもなれると思うんです。……ずいぶん御迷惑をかけたし、不義理な拝借までしているが、これで私も立ち直れますから、江戸へいったらできるだけ早く、拝借した分も返済しますし、なにかでお役にも立ちたいと思います」
「それはよかった、金のことなどはどっちでもいいが、それは本当によかった」
「そう云って下さるだろうと思っていました」
八束はちょっと、あいまいな微笑をもらした。
「いつか高安さんは、私に期待するというように仰しゃった、たぶん御期待にそむかない程度の人間には、なれるだろうと思います、どうか見ていて下さい、そして必ずなにかでお役に立つ、ということを信じていて下さい」
言葉は謙遜であったが、その態度は少なからず昂然とし、また確信に満ちていた。穿った見かたをすれば、それは八束が孝之助に向って、二人の位置が転倒したという意味を、宣告するようでもあった。