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つたかずらきそのかけはし

蔦葛木曽棧

国枝 史郎

線上閱讀国枝 史郎《蔦葛木曽棧(つたかずらきそのかけはし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 335,908 字 · 669 頁

青空文庫

その隆々たる筋肉は、古い形容ではあるけれど、松の古木を連想させた。そうして容貌の醜さは、獣神として名に高い、一言主さながらで、凝視することさえ憚られた。

「黄泉の岩根」の「獣人」酋長荒玉梟帥という猛者であった。

梟帥はノシノシと進んで来た。

手入れの届いた美しい、芸術的の本城の庭も、彼の眼中にはないと見えて、見廻わそうとさえしなかった。

そうして全く不思議なことには、一度彼が現われるや、美しく見えていた庭園が、にわかにその美を失ったように見えた。

「自然」さながらの梟帥のために、人工的の美が圧迫され、急に魅力を失ったのでもあろう。

いやいや単に庭園ばかりでなく、階段に立っている「麗人族」までが、急に美しさを失ったように見えた。

梟帥はノシノシと近寄って来た。

大物主の前まで来て、はじめて悠然と足を止めたが、鷲のような眼をじっと据えて、大物主を睨んだものである。

動揺する心を押さえながら、大物主は威圧するように云った。

「おお参ったか、荒玉梟帥」

「さよう」と梟帥は吠えるように、「お召しゆえ参ってござる。何か相談があるそうで」

その態度にも言葉にも、不遜な反抗心が現われていた。