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「ふんしょじだい」のしゅつげん
論理とその実践――組織論から図書館像へ――
中井 正一
線上閱讀中井 正一《論理とその実践――組織論から図書館像へ――(「ふんしょじだい」のしゅつげん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 57,021 字 · 120 頁
本部は本部で米が切れてパンでしのいだ。男世帯なので副食物は徹頭徹尾イカの塩辛であった。かくて、すべては惨タンたる苦しみにみちていた。ところが新聞の誤植で私が八四歳となっていたのを敵は見のがさなかった。山間部で私が行かなかった郡では私を八四歳の老翁だと演説してまわっているし、またそう信じているとの情報を得たのであった。その対策として、私達は五日市の競馬場に突込まなければならないはめに落ちたのである。
烈風の吹く日であった。
競馬場には幾万の農民が山間部といわず、海岸部といわず方々から集まっていた。その前に四八歳である正味の私の顔を見せなければならないのである。馬がまさに集合せんとする時、私は競馬場のコースに入ったのである。そしてこの大衆に向って叫ばなくてはならなかった。馬のかわりに、人間が、レース・コースの中にあらわれたのである。そして馬がスタート切るや、馬券表の高台に上って、また民主選挙が何であるかを説かなければならなかった。
京都から、知己である坂東蓑助氏が競馬場に応援に来てくれて、あの美貌の鼻の先を赤く日に焦がしていたのは、今も尚、胸にしんで来る姿であった。