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「ふんしょじだい」のしゅつげん

論理とその実践――組織論から図書館像へ――

中井 正一

線上閱讀中井 正一《論理とその実践――組織論から図書館像へ――(「ふんしょじだい」のしゅつげん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 57,021 字 · 120 頁

青空文庫

私はこの敗衄を三カ月つづけた。そして一度は、大衆が愚かであって、啓蒙の困難は何れの時代でも経験するところの、ヒロイックな悲劇性を帯びるものであると、いわゆる深刻型のセンチ性でもって片づける誘惑に惹かれた。しかしたとえ二人でも、母ともう一人の青年に語るこの苦痛の中に、私は一つ一つものを憶えていった。実験もしていった。

つまり、私は、大衆、殊に封建性そのものの中に沈澱している農村の子弟に対しては、いろいろの表現すべき秘密があったことを知っていったのである。彼等が、一番反発するのは、自分達のわからない英語、ドイツ語のカタカナが出てくることである。それに出遇うと実に不快な表情を示すことを私はだんだん気がついた。更に語らんとする大切なことを一度だけいって次に進むと、ハッと面白いと思っていても、それを握りしめないうちに取落してしまうらしいことである。必ず大切なことは、他のことばでいいなおして、二度ずついってやると、はじめてうなずいてついて来るのである。そしてそれに、必ず具体的な例を、実例をあげてやると、更にうなずくのである。この「例」は、彼等の身辺のものでなければならない。