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「ふんしょじだい」のしゅつげん
論理とその実践――組織論から図書館像へ――
中井 正一
線上閱讀中井 正一《論理とその実践――組織論から図書館像へ――(「ふんしょじだい」のしゅつげん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 57,021 字 · 120 頁
つかんだというより、一人一人拾っていったのである。
「これはほんとだろうか」という、喜びとも驚きともつかぬ、ぼうっとするようなこころもちである。
三原市にも水曜日の夜はカント講座が開かれ、四月から十一月まで、七十人が一夜もかけなかった。いつでも帰りは夜十一時四十分の復員列車であった。満員の車の扉の外に外向きに両手でつかまって、尾道市まで、深夜の闇の中をゴーゴーと帰って来るとき、自分の中にもまた昂然と沸ぎるものがあった。
農家の人々の講演に出て、講堂一杯の大衆がキーンと緊まって、少しだまってみてもシーッと全堂寂まりかえってくる。こんな時が、文化運動にたずさわっているものの、何というか、しびれるような喜びとでもいう瞬間である。腹の底を何かヒタヒタと流れる涙のようなものが走って行く。
何が楽しいといって、何か歴史を継いでいるというか、三百年おくれているビッコになっている歴史のゆがみ、立ちおくれたルネッサンスを、今ここに農民と共に通過しているといったような壮大な時間を経験する。そんな時の農民組合の喜びかたはまた格別である。「先生この村が立上りましたら、あの村も、あの村も」