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あかひげしんりょうたん

赤ひげ診療譚

山本 周五郎

線上閱讀山本 周五郎《赤ひげ診療譚(あかひげしんりょうたん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 23,548 字 · 47 頁

青空文庫

「しかしその、野郎は旦那を殺すつもりだったんで」

「証拠があるか」

「野郎がそう云ったって、旦那が」

「よせ」と去定が遮った、「誰がどう云い、誰がどう聞いた、そんな井戸端の喧嘩のようなことをお上で取りあげると思うか、四人と一人、片方は大けがしている、殺すつもりだったというはっきりした証拠がなければ、お咎めを受けるのは高田屋のほうだぞ」

それから去定は若者に一瞥をくれた。

「ましてこんな、ならず者のような人間を使っていれば、たとえ正当な理由があってもとおりはしない、帰ってよく相談をするがいい、おれはいつでも証人になるぞ」

若者は伊蔵を見た。右手をふところへ入れたままで、やるか、というふうな眼つきをしたが、伊蔵は首を振った。去定は登にめくばせをし、戸板の上から角三を抱きあげると、二人で勝手口から家の中へ運び入れた。そのまえに、おたねが人垣の中からとびだして来、先に家の中へはいって夜具を敷いた。

「一つうかがっておきますが」と勝手口から伊蔵が云った、「その角三をよそへやるようなことはないでしょうね」

「この男は崖から落ちたとき足の骨を折っている」と去定が家の中で答えた、「二三十日は動けないから安心しろ」