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あかひげしんりょうたん
赤ひげ診療譚
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《赤ひげ診療譚(あかひげしんりょうたん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 23,548 字 · 47 頁
「相手が相手ですもの、どうしようがあるもんですか、おかみさんや子供たちと与平さんのうちにいますよ」
「どういうことだ」登が訊いた。
「高田屋のしごとです」角三は低く唸ってから云った、「掛合いじゃあ埒があかねえと思ったんでしょう、五日まえにも人足ふうの男を二人よこして、吉三郎というとしより夫婦を力ずくで追い出したんです」
登は圧迫を感じながら訊いた、「ここには町名主か五人組はいないのか」
「そんなものが頼りになるなら、あっしだってやけなまねはしやあしません」と角三は云った、「あいつを殺してやろうと思うまでには、できるだけの手を打ってみたんです」
だが、条件は全部こっちに不利だった。この土地で護国寺の役僧がうしろ楯になっていれば、それだけでも理が非に勝たない。おまけに高田屋は金も遣うし、ここに「新地」ができるとすれば、五人組とか町名主などという連中も、餌にとびつく狼のようなものだ。角三は長屋の者の総代四人といっしょに、でかけていって援助を求めたが、かれらはてんで相手にならなかった。
――二十年ちかくも只で住んでいて、まだそんな欲の深いことを云うのか。
むろん只でいようというのではない、「これからは相応な店賃を払う」