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つうぞくこうぎ れいこんふめつろん

通俗講義 霊魂不滅論

井上 円了

線上閱讀井上 円了《通俗講義 霊魂不滅論(つうぞくこうぎ れいこんふめつろん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 75,415 字 · 148 頁

青空文庫

その他、俗物連中より未来世界の地獄極楽説に関しては、いろいろの盲評を与うるものあれども、その価二束三文にも当たらざれば、いちいち答弁する必要はありませぬ。その一例を示さば、地獄の鬼はみな虎の皮の褌を締めているが、その皮はいずこより得てきたか、地獄の釜はいずこにて造りしか、閻魔の衣服はシナ風なるはいかん、極楽の仏は池中の蓮華の上に座するが、もし、蓮華が折れて池中へ落ちたならばいかん等の愚論でありますが、かかる愚論は多少知識のある者のとらざるところなれば、その言うとおりに任せておきて差し支えはありますまい。もっとも、従来の仏教家はこの愚論にいちいち答弁して、かえって愚論に愚論の上塗りをしているのは、実に憫然の次第に思われます。すべて地獄極楽の荘厳形容にわたりたることは、その苦楽の一端を知らしむるために、われわれの感覚に訴えたるものに過ぎざれば、これもとより枝末のことにして、これをかれこれ評するものも、またその愚評を相手として弁明するものも、ともに愚論の仲間に入ることになります。ただ、ここに一問題として争うべきは、死後の世界に地獄極楽のごとき苦楽の両界が、果たしてあるべきやいなやの一論でありましょう。