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つうぞくこうぎ れいこんふめつろん

通俗講義 霊魂不滅論

井上 円了

線上閱讀井上 円了《通俗講義 霊魂不滅論(つうぞくこうぎ れいこんふめつろん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 75,415 字 · 148 頁

青空文庫

唯物論者は今日の高等の宗教を排斥しながら、己は上古未開時代の拝物教の同類であるとは、さてもさても驚き入りたる次第ではありませぬか。その他、唯物論の不都合なる点は、すこぶる数多いことなれども、そは拙者の別に講述せる『破唯物論』の方に譲りましょう。

拙者などの唯心的眼光をもってみれば、われわれは生まれてより以来、精神の光気の中にこの世界、この物質を認めていることは、決して争われぬ真理である。もし、精神をほかにして世界を知らんとするは、己の手で己の体をあげんとするより、なお困難であると考えます。そうして見れば、唯物論者は、物質の前に精神の実在を認めておかねばならぬ道理である。しかるに、物質をもって精神の実在を否定するは、頭上へ靴をいただき、脚下に帽をうがつがごとく、上下転倒の立論たるを免れませぬ。かくのごとく、己の立論の不都合なるにもかかわらず、人の精神は脳髄中のどこに存するかを知らんと欲し、脳髄を分析していろいろ吟味すれども、物質、分子、元素のほか、さらに精神の存するを認めず。これ、物質のほかに精神なきゆえなりなどと断定するに至りては、一驚はおろか、百驚を喫せざるをえざる次第であります。