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しぜんかいのきょぎ
進化と人生(下)
丘 浅次郎
線上閱讀丘 浅次郎《進化と人生(下)(しぜんかいのきょぎ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 55,568 字 · 109 頁
砂の上に楼閣の築かれぬはだれも知っているとおりである。哲学者もこれに見習うたものか、まず押してもたたいても決して揺らぐことのないようなある物を求め、これを考えの基礎に用いようとするが、たいがいの物は疑えば疑えるもので、ありと思えばあり、ないと思えばないとも言えるゆえ、決して疑うことのできぬというような物をしいて求めると、結局はデカルトのごとくに「われは考える、ゆえにわれはある」というようなところに達する。十人十色で物の考え方は一人一人に違うても、何か動かぬ基礎の上に考えの一系統を組み立てようと欲することはほとんどすべての哲学者に共通の心理であるようにみえる。ところがわれらの考えによるとこれが多くの誤謬の源である。
物は何でも手近にあるほど確かに知ることができる。たとえば物の大きさを測るにしても、机や本箱ならば物差しをじかに当てることができるゆえ、その物差しの示す程度においてはすこぶる正確に測れる。すなわち幾人が測っても、何度測っても結果はまず同一であって、同じ机が二尺五寸になったり二尺六寸になったりすることは決してない。しかるに道路の長さを測る場合には、長い物差しを一度に当てて測るわけにはゆかぬゆえ、比較的はなはだ短い物差しで一小部分ずつを継ぎ継ぎに測り、のちにこれを合計して全部の長さを出さねばならぬが