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ずいひつ みやもとむさし

随筆 宮本武蔵

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《随筆 宮本武蔵(ずいひつ みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 141,786 字 · 278 頁

青空文庫

遺跡紀行

京都一乗寺下り松 ――武蔵と吉岡決戦の跡

が、父祖に対する心持が現れていておもしろい。

結論の終りの章には、

=父母懐胎の時、チヤツト一滴ノツユヲウケテヨリ、ハヤ身モ心モ生ズルモノヨ、タトヘバ袖ノ上ニツユガアレバ月ノウツリ、草ノウヘニモツユガアレバ月ノウツル如クヨ

と書いたり、また、

=月白風清、コンポンニ至ツテハ、ナンニモナイトイフ処ガ面白ヨ、ナンノ道理モナキナリ

で、結んでいる。

それから十兵衛の自作の歌に――「なか/\に人ざと近くなりにけりあまりに山の奥をたづねて」という一首がある。

古来剣道の名人上手といわれる人々には皆、その人の詠んだという極意の歌というのが、いくらもあるが、私は、十兵衛のその歌と、武蔵が自分の肖像画のうえに自題した歌――「理もわけも尽して後は月明を知らぬむかしの無一物なり」が、最も意味が深いし、歌としても優れているようで好きである。

遺跡紀行

京都一乗寺下り松

――武蔵と吉岡決戦の跡

京都ほど分りよい町はおへんになあ、と京都の人はよう云わはるけれど、なんど行っても、僕には京都ほど勝手の知れない土地はない。もっともまた、いつ行っても、宿は都ホテルか中村屋か、でなければ堂本印象氏のまん前にある近糸という家にきまっているようなものだし、会う人々も歩く場所も、べつに決めているわけではないが、おのずからいつも範囲を出ないのである。