輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ずいひつ しほんたいへいき

随筆 私本太平記

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《随筆 私本太平記(ずいひつ しほんたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 56,947 字 · 114 頁

青空文庫

ついでに言っておけば、私本太平記の今のところは、元徳二年だが、その元徳二年は、兼好法師四十八歳のときで、彼はすでにぼつぼつ何処かで“徒然草”など書きはじめていた頃である。

この二ヵ月ちかくは軽井沢で仕事をして来た。ことし辺りの軽井沢は、すっかり青年たちの軽井沢に変ったようだ。よく書斎の窓へ来た小鳥も栗鼠もだんだん顔が減っている。

去年はここに見えた升田名人も、今年は入院と聞いて、

病むもよし

病まば見るべし萩芒

と呟いた一句を、彼への便りに出そうと思いながら、ついまだ見舞状も書けずにいる。

浅間測候所のしばしばな警告によると、いつ爆発があるか知れぬほど、今年は異常に山が鳴っているそうである。だが誰一人、浅間山を心配顔で見る者はない。いや世界の鳴動も、社会の鳴動もするが、火を噴くまでは、みんなたかをくくっているものだろうか。おそらく、南北朝大乱の前も、そんな世態だったのだろう。歴史はいつも、浅間測候所の如く未然を告げているのだが。

この初旬には、例年の毎日、文春、両社主催の高原ゴルフ大会がある。盛夏は遠慮して、わざわざ二百二十日がらみの人なき頃にやるわけだ。