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せいあどうきだん
青蛙堂鬼談
岡本 綺堂
線上閱讀岡本 綺堂《青蛙堂鬼談(せいあどうきだん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 121,438 字 · 238 頁
土地の者もいろいろのことを言いふらすようになる。由井の家の娘には何かの憑物がしているか、さもなければ由井の家に何か祟っているのであろうという噂が、それからそれへと拡がって行くので、親たちもそれを気に病んで、神主や僧侶や山伏や行者などを代るがわるに呼び迎えて、あらゆる加持祈祷をさしてみたが、いずれも効験がない。そのうちに、下男のひとりがこういう秘密を主人夫婦にささやいた。
その下男は夜半に一度ずつ屋敷内を見まわるのが役目で、師走の月の冴えた夜にいつもの通り見まわって歩くと、裏手の古井戸のそばに二人の女の立っている姿をみつけた。夜目遠目ではあるが、今夜の月は明るいので、その女たちが主人の娘ふたりに相違ないことを早くも知って、彼は不思議に思った。大きい木のかげに隠れて、なおもその様子をうかがっていると、姉妹は手を引合ってむつまじく寄り添いながら、一心に井戸の底をのぞいているらしかった。まさかに身を投げるのでもあるまいと油断なく窺っていると、やがて姉妹は嬉しそうに笑いながら、手を引合ったままで内へはいった。
下男の密告は単にそれだけに過ぎないが、考えてみると、不審は重々であると言わなければならない。