輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
せいあどうきだん
青蛙堂鬼談
岡本 綺堂
線上閱讀岡本 綺堂《青蛙堂鬼談(せいあどうきだん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 121,438 字 · 238 頁
。その草の葉を肌守のなかに入れておくと、大蛇に出逢わないとか、魅まれないとかいうので、女子供は争ってむしり取る。こんな年中行事が遠い昔から絶えず繰返されているのを見ても、いかにかのうわばみがここらの人間に禍いし、いかにここらの人間に恐れられているかを想像することが出来るであろう。
そのなかでただひとり、かのうわばみをちっとも恐れない人間――むしろうわばみの方から恐れられているかも知れない、と思われるような人間がこの村に棲んでいた。彼は本名を吉次郎というのであるが、一般の人のあいだにはその渾名の蛇吉をもって知られていた。彼は二代目の蛇吉で、先代の吉次郎は四十年ほど前にどこからか流れ込んで来て、屋根屋を職業にしていたのであるが、ある動機からうわばみ退治の名人であると認められて、夏のあいだはうわばみ退治がその本職のようになってしまった。
その吉次郎は既に世を去って、そのせがれの吉次郎がやはり父のあとを継いで屋根屋とうわばみ退治とを兼業にしていたが、その手腕はむしろ先代をしのぐというので、二代目の蛇吉は大いに村の人々から信頼されていた。かれは六十に近い老母と二人暮らしで、ここらの人間としてはまず普通の生活をしていたが、いつか本職の屋根屋を廃業して、うわばみ退治専門になった。