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ひだのかいだん
飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選
岡本 綺堂
線上閱讀岡本 綺堂《飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選(ひだのかいだん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 130,271 字 · 263 頁
とばかりで、父は此話を余り好まぬらしい。
「ねえ、阿父さん。外国でも遠い田舎へ行くと、種々不思議な話があるそうで……。約り一種の迷信ですね。ここの山※(「けものへん+操のつくり」、第4水準2-80-51)なんて云うものも矢はり其の一つでしょう。わたくしは之を十分に研究したいと思うんですが……。忠一君も曾てそんな話を為たことが有りましたよ。」
「※(「けものへん+操のつくり」、第4水準2-80-51)を研究したい。」と、安行は稍や真面目になって、我子の顔を凝と視た。
「そうです。恐く猿か何かでしょうな。」
「猿でも猩々でも、そんなものには構わずに置くが可い。先年駐在所の巡査が※(「けものへん+操のつくり」、第4水準2-80-51)を追って山の奥へ入ったら、其留守に駐在所から火事が始って、到頭全焼になって了ったことが有る。加之も駐在所が一軒焼で、近所には何の事も無かった。其の巡査も後に病気になったそうだよ。」
物の道理を相当に心得ている筈の父安行すらも、矢はり※(「けものへん+操のつくり」、第4水準2-80-51)を恐るる一人であるらしい。市郎は肚の中で可笑く思った。