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まじゅつし
魔術師
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《魔術師(まじゅつし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 139,264 字 · 280 頁
地底の滝
「イイエ、構いません。あたし、その家の様子をよく知っていますから、ご案内致しますわ」
文代は眉を上げて、固い決心を示した。実の父親の捕物に、案内役を勤めないではいられぬ、悲しい娘の心。何という因果なめぐり合わせであろう。
その深夜、お茶の水と、丸の内を出発した二台の自動車が、一台には明智と文代、一台には波越警部と四名の部下をのせて、小石川の高台へと走った。
「間に合いますかしら。あたし、何だか胸がドキドキして……」
文代が気をもんでいたと同じく、別の車では波越警部が、
「今度こそは、兇賊を捕えないで置くものか」と汗ばむ拳を握っていた。
地底の滝
穴蔵では、源次郎の骸骨に飛びかかって行った二郎が、とうとうそれを滅茶苦茶に叩きつぶしてしまった。同時に骸骨の着物に燃え移っていた焔も消えて、地下室は再び文目もわかぬ暗闇になった。
それから、室内の毒煙も薄らぎ、一同半狂乱の気が静まるまでには、たっぷり三十分程もかかった。
その間、玉村父子四人は、闇の中に、生きているか死んでいるか分らぬ状態で、倒れていた。
だが、やがて、正気に帰った善太郎氏が、闇の中から声をかけた。