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おれはにじゅうめんそうだ

おれは二十面相だ/妖星人R

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《おれは二十面相だ/妖星人R(おれはにじゅうめんそうだ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 194,415 字 · 391 頁

青空文庫

酸素のボンベで、息はらくにできます。また、大きな水かきで、じゆうに泳げるのです。

博士は海の底を、お台場のほうへ泳いでいきます。そのとき、もし、博士がうしろをふりかえって見たら、なんだか大きなサメのような怪物が、あとを追ってくるのに気づいたでしょうが、博士は、一度も、うしろを見なかったのです。

いや、サメではありません。やっぱりビニールの潜水服をきた、博士よりは、すこし小がらな人間でした。これは、いったい、なにものでしょう?

博士は海の底を、お台場の岸に近づき、石がきをはいあがると、そこの草むらに身をふせて、首をもたげ、夕やみのせまった、おきのほうをながめました。

「ウフフフ……、わしが、逃げだしたともしらないで、モーターボートはランチを追っかけていく。おい、もっと速力を出せ。そして、どこまでも逃げるんだ。」

博士は、おかしそうに、ひとりごとをいって、草むらのなかを、むこうの大きなたてもののほうへ、はっていきました。それは戦争のときたてられた兵隊の家で、壁はやぶれ、柱はゆがんで、こわれたままになっているのです。ばけものやしきみたいです。

博士は、そのまっ暗なたてもののなかで、潜水服をぬぎすてました。