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しゅんきんしょう
ちくま日本文学014 谷崎潤一郎
谷崎 潤一郎
線上閱讀谷崎 潤一郎《ちくま日本文学014 谷崎潤一郎(しゅんきんしょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 85,196 字 · 169 頁
貫禄を備えるようになるその時分までは全く婦女子も同様に色が白く衣服の好みも随分柔弱なのである。まして旧幕時代の豊かな町人の家に生れ、非衛生的な奥深い部屋に垂れ籠めて育った娘たちの透き徹るような白さと青さと細さとはどれほどであったか田舎者の佐助少年の眼にそれがいかばかり妖しく艶に映ったか。この時春琴の姉が十二歳すぐ下の妹が六歳で、ぽっと出の佐助にはいずれも鄙には稀な少女に見えた分けても盲目の春琴の不思議な気韻に打たれたという。春琴の閉じた眼瞼が姉妹たちの開いた瞳より明るくも美しくも思われてこの顔はこれでなければいけないのだこうあるのが本来だという感じがした。四人の姉妹のうちで春琴が最も器量よしという評判が高かったのは、たといそれが事実だとしても幾分か彼女の不具を憐れみ惜しむ感情が手伝っていたであろうが佐助に至ってはそうでなかった。後日佐助は自分の春琴に対する愛が同情や憐愍から生じたという風に云われることを何よりも厭いそんな観察をする者があると心外千万であるとした。わしはお師匠様のお顔を見てお気の毒とかお可哀そうとか思った