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しゅんきんしょう
ちくま日本文学014 谷崎潤一郎
谷崎 潤一郎
線上閱讀谷崎 潤一郎《ちくま日本文学014 谷崎潤一郎(しゅんきんしょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 85,196 字 · 169 頁
のだろうこっそり立ち聴きしてやりたいと蔭口を云ったというなぜ春琴は佐助を待つことかくのごとくであったか。ただし大阪は今日でも婚礼に家柄や資産や格式などを云々すること東京以上であり元来町人の見識の高い土地であるから封建の世の風習は思いやられる従って旧家の令嬢としての衿恃を捨てぬ春琴のような娘が代々の家来筋に当る佐助を低く見下したことは想像以上であったであろう。また盲目の僻みもあって人に弱味を見せまい馬鹿にされまいとの負けじ魂も燃えていたであろう。とすれば佐助を我が夫として迎えるなど全く己れを侮辱することだと考えたかも知れぬよろしくこの辺の事情を察すべきであるつまり目下の人間と肉体の縁を結んだことを恥ずる心があり反動的によそよそしくしたのであろう。しからば春琴の佐助を見ること生理的必要品以上に出でなかったであろうか多分意識的にはそうであったかと思われる
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伝に曰く「春琴居常潔癖にしていささかにても垢着きたる物を纏わず、肌着類は毎日取換えて洗濯を命じたりき。また朝夕に部屋の掃除を励行せしむること厳密を極め、坐するごとに一々指頭をもって座布団畳等の表面を撫で試み毫釐の塵埃をも厭いたりき。