輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
ロザリオのくさり
ロザリオの鎖
永井 隆
線上閱讀永井 隆《ロザリオの鎖(ロザリオのくさり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 107,351 字 · 213 頁
無一物処
誠一が声をかけたので、目をうつつに開けば、わが影は灰のうえに長うして、脛吹き払う風も冷たい。骨のあったあたりにしゃがみ、ロザリオの祈りをとなえて、それで仕事を打ち切った。
それっきり片づけをする勇気が出なくなってしまった。灰を掘れば亡きひとの遺品がまた現われるであろう。忘れたいというのではない。あまりになまなましく思い出したくはないのである。
近ごろ知り合いになった戸泉さんが中学生三人をつれて片づけの奉仕をしましょうと言って来られた。どんな小さながらくたでも肉親のものには限りない思いがつながっている。ああ、あれはミシンの車だ、あれを踏んでいたなあ、と思い出したとたん、中学生は、何だ、ミシンか、一、二の三と叫んで勢いよく防空ごうへ放りこんでしまった。ああ、火のしだ、あの火のしで──と思う間もなく戸泉さんがこりゃもう役に立たん、と言ってポイと投げこんだ。思い出こもりて断ちがたきがらくたは四人の非人情な手でさっさと防空ごうに投げこまれ、あとは夕方にはきれいな庭に変えられてしまった。戸泉さんが、ここに白バラを植えてあげましょうねと言った。
無一物処
昼間はみんな建築材料を集めに出るので、ひとり留守をしている。