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まんようしゅうか

万葉秀歌

斎藤 茂吉

線上閱讀斎藤 茂吉《万葉秀歌(まんようしゅうか)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 213,820 字 · 427 頁

青空文庫

その入野の薄と初尾花と、いずれであろうかと云って、いずれの時かと続けたので、随分煩いほどな技巧を凝らしている。こういう凝った技巧は今となっては余り感心しないものだが、当時の人は骨折ったし、読む方でも満足した。併しこの歌で私の心を引いたのは、そういう序詞でなく、「いづれの時か妹が手纏かむ」の句にあったのである。聖徳太子の歌に、「家にあらば妹が手纏かむ草枕旅に臥せるこの旅人あはれ」(巻三・四一五)があった。

○

あしひきの山かも高き巻向の岸の子松にみ雪降り来る 〔巻十・二三一三〕 柿本人麿歌集

巻向は高い山だろう。山の麓の崖に生えている小松にまで雪が降って来る、というので、巻向は成程高い山だと感ずる気持がある。「岸」は前にもあったが、川岸などの岸と同じく、山と平地との境あたりで、なだれになっているのを云うのである。「山かも高き」というような云い方は既に幾度も出て来て、常套手段の如き感があるが、当時の人々は、いつもすうっとそういう云い方に運ばれて行ったものだろうから、吾々もそのつもりで味う方がいいだろう。「岸の小松にみ雪降り来る」の句を私は好いているが、小松は老松ではないけれども相当に高くとも小松といったこと、次の歌がそれを証している。