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さんまいつづき
三枚続
泉 鏡花
線上閱讀泉 鏡花《三枚続(さんまいつづき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 63,572 字 · 124 頁
と愛吉はさも口惜しそうである。
「おい、その方が敵かい。」
「お前また妙な敵を持ったもんだな、金と女なら私だって殺してえほど怨があらあ、先の中洲の清元の師匠の口だと、私も片棒担ぐんだが、困ったな歌の先生じゃあ。お前どうした、狙ったか、」
「二晩ばかりつけました、上野の山ね、鶯谷ね、杖でも持ちゃあがって散歩とでも出掛けてみろ、手前活しちゃあ帰さねえつもりで、あすこいらを張りましたけれど、出ませんや。弱っちまいました、親方の前だけれども。髪結床の下職なんぞするもんじゃアありませんね、せめて字でも読めりゃ何とか言って近づくんですが、一の字は引張って、十文字は組違え、打交えは鷹の羽だと、呑込んでいるんじゃあ為方がありません、私あもう詰らねえ。」と力なさそうに投首をする。
「ああ、お互に不便なもんだ。」
「親方本当でございますね、酒の値は上りまさ、食る物は麺麭の附焼、鰻の天窓さ、串戯口でも利こうてえ奴あ子守児かお三どんだ、愛ちゃんなんてふざけやあがって、よかよかの飴屋が尻と間違えてやあがる、へ、お忝。」といって、愛吉はフンと棄鉢の鼻息。
「あいや、敵討のお武家、ちとお話が反れましたようですが、加茂川が何か君に恥辱でも与えたというのかい、」