輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

さんまいつづき

三枚続

泉 鏡花

線上閱讀泉 鏡花《三枚続(さんまいつづき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 63,572 字 · 124 頁

青空文庫

居廻の者は誰謂うとなく加茂川の横町を、根岸の馬車新道と称えて、それの狭められるために、豆腐屋油屋など、荷のある輩は通行をしない位であるが、今日は日曜故か、もう晩方であるためか、内も外も人少なげに森として、土塀の屋根、樹の蔭などには、二ツ三ツ蚊の声が聞えた。

されば敷石を鳴す穿物に音立てて、五ツ紋の青年はつかつかとその格子戸の前。

ちょうどここへ立った時分に、今開けた門の、からからと鳴る、ばねつきの鈴の音が止んで、あたかも可し、玄関へ書生が取次に顕れて、あえてものを言うまでもない。

黙って、坐って、手を支いて、顔を見て、澄して控える。

青年は格子戸を半ば引いたままで、慇懃に小腰を屈め、

「御免下さいまし。」

「はい。」

「ええ、お友達、御免下さいまし、御当家、」と極って切口上で言出した。調子もおかしく、その蝙蝠傘を脇挟んだ様子、朝夕立入る在来の男女とは、太く行方を異にする、案ずるに蓋し北海道あたりから先生の名を慕って来た者だろうと、取次は瞶めたのである。

青年はますます鄭重、

「いかがでございましょうか、お友達、御当家先生様にお目通が出来ますでございましょうか。