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せけんし
世間師
小栗 風葉
線上閱讀小栗 風葉《世間師(せけんし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 17,390 字 · 36 頁
七
食わせりゃこっちが飼主よ、指でも指しやがると承知しねえぞ!」
「そうだそうだ、そんな分らねえ奴あ擲っちまえ!」と傍から嗾しかける。
二階にいた連中も皆降りてきた。多勢が寄って聚って、むりに女の髻を放させたが、それに逆ったというので、とうとう万年屋を袋叩きにしてしまった。そして誰だか二階にあった万年屋の荷物を運んできて、それといっしょに表へつき出した。
「本当にものの分らねえ鈍痴漢じゃねえか。己の気の利かねえことあ考えねえで、女を怨むッて法があるものか」というのが一致した衆評であった。
私は始終を見ていて異様に感じた。
七
女房を奪われながらも、万年屋は目と鼻の間の三州屋に宿を取っている。翌日からもう商売に出るのを見かけた者がある。山本屋の前を通る時には、怨しそうに二階を見挙げて行くそうだ。私は見慣れた千草の風呂敷包を背負って、前には女房が背負うことに決っていた白金巾の包を片手に提げて、髪毛の薄い素頭を秋の夕日に照されながら、独り町から帰ってくる姿を哀れと見た。で、女房はさすがに怖がって外へもなるべく出ないようにしている。銭占屋は気まずい顔をして、妙に考えこんでいた。