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ちゅうせいのぶんがくでんとう

中世の文学伝統

風巻 景次郎

線上閱讀風巻 景次郎《中世の文学伝統(ちゅうせいのぶんがくでんとう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 115,977 字 · 230 頁

青空文庫

これは重要な素因として、枯れた調子を愛しはじめる老衰ということも考えねばならぬが、今一つは新しい時代を早く感じはじめていたことでもあると思う。このことについては後になお、『新勅撰集』に触れるとき、改めて考え直すことにするが、とにかくそうであったのである。これまでの調子はくだらなく見えてくるが、院の御好みはもとのまま故、何ともなし得なくなったところへ、ちょうど老境にさしかかったため、倦み疲れて、新しく自分を調節し、今一度創作の方でふみ出す力が出きれないでしまったのだと思う。にわかに作歌数は減少しはじめ、仙洞の雅宴を厭いはじめる。『明月記』にも、「鶏鳴、月未だ入らざれど退出、老後の数奇、病きほひ起り、はなはだ堪へがたし」とか、「百首の題を給ふ。年内に詠進すべしと云々、連々として三百首争でか風情を得んや、はなはだ以て堪へがたし」など書きはじめる。また四十八の承元三年に実朝へ送った『近代秀歌』にも、「老に臨みて後は、病重く憂も深く沈み侍しかば、言葉の花色を忘れ、心の泉源涸れて」といっている。そして、五十五歳の年に自分の創作に一つのくぎりをつけた。『定家卿百番自歌合』