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えいがをつくるはなし

中谷宇吉郎集 第三巻

中谷 宇吉郎

線上閱讀中谷 宇吉郎《中谷宇吉郎集 第三巻(えいがをつくるはなし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 46,667 字 · 95 頁

青空文庫

満員の盛況になってしまったのである。

今の低温室は、八畳間位の大きさである。それが主室で、それにその半分の大きさの副室がついている。主室の方は年中零下五十五度までの任意の温度に保てるようになっているが、副室の方は零下三十度までである。そして外部から先ず副室へはいって、それから主室の方へ行くようになっている。実験は大抵主室が零下三十五度、副室が零下十五度程度ですることが多い。夏は特にそれ以下の温度にすると、人間の方が参ってしまうので、滅多に零下四十度以下にすることはない。

ところで、ただ今はこの二室で八つの実験が並行に進行中なのである。この狭い室で、これだけの実験をするのは、ちょっと潜水艦の中で働くような味があるのでその様子を書きとめておく。

先ず主室の方であるが、この八畳間で殆んど全部の実験がなされるので、その実験台の配置はなかなかむずかしい。色々模様変えをした揚句、結局一番平凡なところに落付いたのであるが、真中に一坪位の空地をとって、周囲の四方の壁に沿って、ぎっちり実験台を並べることにした。

最初に断熱の重い扉をあけると、そのかげのちょっとした隙間に上下二段になった台がある。