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えいがをつくるはなし
中谷宇吉郎集 第三巻
中谷 宇吉郎
線上閱讀中谷 宇吉郎《中谷宇吉郎集 第三巻(えいがをつくるはなし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 46,667 字 · 95 頁
二
と初めは言われるが、防寒服なしで、低温室内で一度縮み上って出て来られると、大抵の人は、「やはり、余り有難くもないね」と言われる。その度に私たちは「これが計略なんです」と言ってお客様を苦笑させることにしている。
二
この頃、私たちの低温研究室は、大変の繁昌である。
そろそろ夏休みが近づいて、構内の楡と芝生とが、鮮かな初夏の緑の粧いを完成するにつれて、例年のように、東京からの修学旅行の組がいくつも訪れて来る。そしてその時期が過ぎると、夏休みに入って、よく学会などがある。この近年は、夏の北海道で学会をすることが流行るらしく、毎年二つや三つの会があるのが普通になっている。
修学旅行の人たちも、学会のお客様方も、よく低温室を見に来られる。夏の北海道で雪の結晶を見るというのが、何か言葉の上からも、一つの魅力になるのかもしれないが、要するに、分り易いからであろう。
今までは、低温室の中もまだ大分余裕があったので、出来るだけ中へ案内して零下三十五度を満喫してもらうようにしていたが、この頃はどうにもそんな余裕がなくなってしまった。
それというのは、低温の仕事も始めて見ると、つぎつぎと問題が出てきて、というよりも担ぎこまれてと言った方がよいのであるが、それが又どれもやって見ると、非常に面白いことばかりなので、もう低温室はすっかり